CASE ANALYSIS / 2012-09-26
退職後もシンガポールに残った人のRSU権利確定
本文確認済みの資料です。公刊判決または公表裁決書の確認範囲は、下記に記載しています。
国税不服審判所(東京・裁決) | 所得税・過少申告加算税(RSU)
国内住所なし住居職業日数家族資産退職後もシンガポールの生活本拠が続き、2008年1月25日のRSU株式取得日は非居住者と認定。ただしRSU所得の国内勤務対応分は課税され、更正・加算税は各一部取消しとなった。
主要な事実
2006年8月1日に2・3年の予定でシンガポールへ赴任し、2007年8月31日に退職。現地のサービスアパートメントで起業・就職活動を続け、2008年1月25日にRSUの権利確定により37,687株を取得、2月4日に帰国した。通期553日の認定日数はSG306日・日本158日で、請求人主張の308日・148日とは異なる。退職後157日はSG68日・日本70日。いずれも暦年や株式取得日までだけの日数ではない。日本の妻は独立した収入を得て別居し、審判所は生計を一にすると認めなかった。
判断の理由
原処分庁は退職後の事情に限定して判断すべきと主張したが、審判所は退職を生活変化の一要素とし、退職前も含めて検討した。赴任当初は施行令15条の推定と客観的実態から国外住所を認め、退職後も現地住居を生活・職業活動の拠点とする実態が続くと認定。日本の就職先との大枠の合意や帰国予定だけで本拠が移ったとはせず、国内資産も本人が日本に居住しなければ管理困難なものではないとした。帰国した2008年2月4日からは居住者と判断した。
当サイトの解説
この事件から何を読み取るか
退職や帰国予定だけで住所が直ちに切り替わるとは限らない。権利確定・株式取得日の生活実態を、その前後との連続性から確認する。また、非居住者であっても株式報酬が全額非課税とは限らず、国内勤務に対応する国内源泉所得の検討が残る。
事件当時の法令と事実関係に基づく判断です。同じ日数や形式を整えることで同じ結論になるという意味ではありません。
審級・確定状況
2008年分所得税について2011年4月27日に更正・過少申告加算税賦課決定。異議棄却を経て2011年10月5日に審査請求。2012年9月26日裁決(東京・平成24年(所)第58号)は両処分を各一部取消し。RSU所得は、各付与日から退職日までの勤務期間のうち2006年7月31日までの国内勤務期間が占める割合で国内源泉所得を計算した。株式取得日までの全日数で按分したものではない。後続訴訟の有無・結末は未確認。
確認範囲
国税不服審判所の公表裁決書(抄)の本文全体を確認。確認段階は本文確認済みだが、別表1〜6と別紙取消額等計算書はすべて公表省略であり、表自体の精査・日別再集計や匿名化税額の検算はできない。日数は本文4(2)イ・4(3)イの認定に基づき、退職前SG238日+退職後68日=306日、日本88日+70日=158日を照合。住所の結論欄は争点である2008年1月25日の株式取得日を表示し、2008年全体が非居住者との意味ではない。既存の同一IDの要旨確認済レコードを更新する資料で、新規事件として追加しない。
原文・出典
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要旨確認済・全文未確認 | 国内住所あり | 共通する争点:住居・家族・職業・日数・資産