CASE ANALYSIS / 2011-10-24
海外法人社長:国内営業と家庭生活の本拠
本文確認済みの資料です。公刊判決または公表裁決書の確認範囲は、下記に記載しています。
国税不服審判所(裁決) | 所得税(更正の請求)
国内住所あり住居家族職業資産日数形式資料2009年に国外で179日過ごした海外法人社長について、国内186日の滞在に加え、国内の家庭生活と業務の実態等から国内住所を認定。非居住者として所得を減額する更正の請求を認めなかった。
主要な事実
2009年の滞在は日本186日、G国179日。国内滞在中の出張は22日で、186日の内数である。請求人は日本滞在を海外法人の業務出張とし、国内日数が多いのは術後通院のためと主張した。審判所は、日本の所有自宅で妻と生活し、国内出張のほかメールによる海外業務の指示も行ったと認定。国外では会社が借りた家具付き宿舎に単身滞在し、食事の提供を受けていた。
判断の理由
審判所は、海外法人の社長職が特定の場所への常駐を必須とせず、実際に両国で業務を遂行していたと評価。日本の自宅は仕事・通院に加え家庭生活を営む場所でもあり、海外宿舎より全生活との関係が深いとした。妻の居住、国内自宅所有、住民登録・年金支払者への住所届出、健康保険資格、国外滞在許可の状況等も総合した。通院や妻の居住地だけで結論を出したものではない。
当サイトの解説
この事件から何を読み取るか
滞在が半年を超えたことだけで機械的に判定しない。国内出張22日を国内滞在日数や全就労日数と混同せず、家から行った業務も確認する。通院による帰国という説明と、帰国中の家庭・職業生活の実態を照合する。
事件当時の法令と事実関係に基づく判断です。同じ日数や形式を整えることで同じ結論になるという意味ではありません。
審級・確定状況
2009年分の確定申告後、2010年8月26日に非居住者として所得を減額する更正の請求。2010年11月30日の更正をすべき理由がない旨の通知に対し、異議棄却を経て2011年4月15日に審査請求。2011年10月24日裁決は通知処分を適法と判断し、取消しを認めなかった。後続訴訟の有無・結末は未確認。
確認範囲
公表抄の全文と別表2の画像・注記を確認。別表の列合計も186日・22日・179日と照合した。同表は出国日を滞在日に含め、入国日を含めない計数で、前年12月27日入国後の欄にも前年の日数は含まれない。別表1は公表省略のため税額は記載していない。病名・国名は推測していない。既存14件と裁決日、対象年、業務、処分経過を照合し重複は認められなかった。2008年12月25日の代表者源泉所得税事件とは対象年・処分が異なる。公式裁判資料等の検索で後訴の同一性を確認できる資料は得られていない。
原文・出典
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